キタールのウェブログ

2026年2月12日

AIと盆栽

ai-and-bonsai

この記事で主張されているように、AGIは既に達成されていると思います。汎用的(General)なAIを、私たちはほとんど誰もが利用することができます。

AIは既に自己改善的なループを回すことができます。AI自身で何度も検討を繰り返すことで、自律的に課題を見つけ、改善案を作り、検証することを繰り返すことができます。

にも関わらず、真の意味で自立成長するシステムが実現できない最大の原因は、AIがオーナー(人間)の目的や思想、判断基準を完全には知らないからであり、それはそもそも人間自身が自分の考えを言語化できなかったり、自分が本当に欲しいものを知らない(できたものを見てみないと想像できない)からではないかと思います。

そのため、私たちは時折ループの中に介入し、自分の理解を深め、判断の解像度を上げ、ループが正しい方向に進むように調整する、といったことをやっています。

実はこのパターンは私たちが既に直感的に理解していることだと思います。例えば:

  • 盆栽。木は勝手に成長するが、どんな樹形が「美しい」かは木自体は知らない。職人が剪定したり針金で枝の方向を調整したり、といった介入がなされる。
  • ウイスキーの熟成。ウイスキーは樽の中で勝手に化学反応が進むが、「どんな味を目指すか」はブレンダーの頭の中にしかない。定期的にテイスティングして、樽を入れ替えたり環境を調整したりといった介入がなされる。

(他にもっと良い比喩があるかもしれません)

「調整さえすればループの中身は信頼できる」という状態まで達したのは、個人的には比較的最近のこと(昨年末、Opus 4.5などが出てきた頃)だと感じていますが、AIのことを、盆栽における「木の成長」やウイスキーにおける「化学反応」ともはや同じようなものだと考えられるようになったと思うと、それはやはり物凄い変化であると感じます。

2026年2月16日

[...] しかしFDEは、ただこの問題を解決しているだけではない。FDEは別の問いを立てている — 次に同じ問題を抱える顧客が、自分を必要としなくて済むようにするには、この問題をどう解決すればいいか?

[...] FDEは単に顧客のために働いているのではない。FDEは顧客を通じてプロダクトに働きかけているのだ。

[...] これが指数関数的成長の姿だ。人間のアウトプットは、その人の稼働時間に制約されない。人間のアウトプットは、彼らが学んだことをプロダクトが吸収する能力によって制約されるのだ。

微分はプロダクトである。

[...] But the FDE isn’t just solving this problem. The FDE is asking a different question: how do I solve this problem in a way that means the next customer with this problem doesn’t need me?

[...] The FDE isn’t just working for the customer. The FDE is working on the product through the customer.

[...] This is what exponential looks like. The human’s output isn’t bounded by their hours. The human’s output is bounded by the product’s ability to absorb what they learn.

The derivative is the product.

※強調は引用者

— Isaiah Granet

つぶやき

オープンソースプロジェクトのメンテナンスもAIのおかげで随分と楽になったが、誰もが自前で同じ機能を簡単に作れる以上、残るものはメンテナーのビジョンやプロジェクトの「信頼と実績」くらいではないかとも思う。

「同じ機能を簡単に作れる」は議論の余地があるところだが、良くも悪くも、ほとんどのプロジェクトは重要な資産であるテストコードも公開されている。テストがあればAIが同品質のコードを書くチャンスはグッと高まる。